ビアのあるマイクロストリップラインの特性解析 Part 5

 Part4で紹介した、グランドビアはL2とL3を接続するだけにしていたのです。これは計算スピードを上げる為なのですが、このような構成を実際のプリント基板で作ろうとすると、とんでもないコストがかかります。

 
 そこで、ビアは、L1 – L2 – L3 – L4とまさに「貫通ビア」にする必要があります。その為には、ビアのパーツをグランドビアの所にあと2つ追加することにします。
 
 ビアのプロパティとして、どこの層からどこの層まで貫通させるか、というものがあるのですが、最初に追加したビアは、L1からL2まで(図ではM1からM2となっているが、MはMetalの略で、金属層のこと)の物1個(図1)とL3からL4までのもの1個(図2)です。L2からL3にわたるビアはそのまま使いました。なお、図1と図2では、それぞれのビアをずらして見やすくしてあります。
6holes_via_property.jpg
図1 L1からL2にわたる貫通ビアのプロパティ
6holes_via_property2.jpg
図2 L3からL4にわたる貫通ビアのプロパティ
 では、Part4の最後でベストの結果(共振点が無い)を出したグランドビアの配置(Part4の図5)はそのままで、L1からL4までの貫通ビアを、図2図3の要領で取り付けてシミュレーションした例を図4に示します。
6holes_via_through_L1_2_L4_Spara.jpg
図4 Part4の図5と同様のグランドビアの配列で、グランドビアをL1からL4まで全てに配置した場合
 
 残念ながら、2.7GHzと3.5GHz近辺に共振点が出てしまいました。これは、マイクロストリップラインの近傍に金属があるためでしょう。
 
 マイクロストリップラインがL1からL4へと遷移する近辺には、6つのビアがあり、そのビアの金属(特にグランドに接続されているビア)とマイクロストリップラインの相互の影響により、共振点が生まれた物を推察されます。
 
幸いなのは、それほど大きな共振点ではなく、おそらくこの程度ならシグナルインテグリティに影響はでないであろう、と言うことです。
 
 図4の特性よりももっと良い物が得られないかどうか、いろいろやってみましたが、Part4の図5ほどのものは得られず断念しました。 
 Part4に戻るには、ここをクリックしてください。          まとめはPart6で。

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